呼吸ケア関連論文リスト

医療関係の方へ COPD関係で最近掲載された論文のうち、目についたものを掲げています。

(赤色は新規掲載)

選定責任者 林

 

容量の関係で旧くなった分から漸次バックナンバー(PDFファイル)へ移します。ご了承下さい

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呼吸リハビリについて

13 

Janssen DJ et.al. Relationship between pulmonary rehabilitation and care dependency in COPD. Thorax. 2016; 71: 1054-6.(PMID27402003)

COPD患者に呼吸リハビリを行った前後で患者のケアへの依存性がどのように変化したかを検討した。リハビリ前には25.7%の患者でCare Dependency Scale (CDS) が68点以下であり、ケアに依存していると考えられた。ケア依存患者のうち44.7%でリハビリ後にケア依存からの脱却が観察された。

 

14

Figueiredo D et.al. Exploring the Benefits to Caregivers of a Family-Oriented Pulmonary Rehabilitation Program. Respir Care. 2016; 61: 1081-9.(PMID27381202)

家族ぐるみで家族介護者を含めた呼吸リハビリ教育を行うことの有効性を検討した。20名の患者では家族介護者が患者とともにリハビリプログラムの教育セッションに参加した。19名の対照群では家族介護者は参加しなかった。前者で有意に家族の対処や家族の認識に改善が認められ、介護者の適応的対処能力の引き出しと心理的な負の転帰の予防に有用であると考えられた。

 

15

Coquart JB et.al. Home-based neuromuscular electrical stimulation improves exercise tolerance and health-related quality of life in patients with COPD. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016;11:1189-97. (PMID27350745)

経皮神経筋電気刺激装置(NEMS)を用いた在宅リハビリの有効性を検証した。

 

16

Cecins N et.al. Community-based pulmonary rehabilitation in a non-healthcare facility is feasible and effective. Chron Respir Dis. 2017; 14: 3-10. (PMID27315829)

非医療機関による地域密着型呼吸リハビリテーションの実現可能性と効果についての検討。5会場で週に2回の集団指導を8週間実施した。参加基準と安全性を担保するための評価・訓練ガイドラインが予め定められた。251名(うち79%がCOPD)の対象者が参加し、166名がプログラムを完遂した。プログラム終了後は、6分間歩行距離、QOLに改善が認められ、呼吸器関連の入院も減少した。

 

17 

Maddocks M et.al. Physical frailty and pulmonary rehabilitation in COPD: a prospective cohort study. Thorax. 2016; 71: 988-995. (PMID27293209)

安定期COPD患者におけるフレイルの頻度を調べ、フレイルがリハビリテーションの完遂と効果に影響を当たるかについて検討を行った。816名のCOPD患者を対象とした。フレイルの判断は体重減少、消耗、低身体活動性、緩慢さ,筋力低下を指標にしたFried criteriaによって行われた。209名(25.6%)がフレイルであった。フレイルの頻度は年齢、GOLD気流制限病期、MRCスコア、合併症、と関連して増加した。フレイルのある患者はリハビリテーションプログラムの未完遂率が概ね2倍であり、しばしば急性増悪と入院により妨げられた。しかし、一方では、フレイルがあるもののリハビリテーションプログラムを完遂したものではMRCスコア、運動能力、身体活動性、健康状態の改善が認められた。リハビリテーション終了後、115名中71名がフレイルの基準から脱していた。

 

18

Smid DE et.al. Responsiveness and MCID Estimates for CAT, CCQ, and HADS in Patients With COPD Undergoing Pulmonary Rehabilitation: A Prospective Analysis. J Am Med Dir Assoc. 2017; 18: 53-58. (PMID27624705)

COPD患者において、SGRQ、CAT、CCQ、HADSの呼吸リハビリテーションに対する反応性を検討し、CAT、CCQ、HADSの臨床的に有意な最小変化量(MCID)の推定をおこなった。419名の患者がリハビリテーションを完遂した。リハビリテーション前後での変化量はSGRQ:-9.1 ± 14.0 、CAT:-3.0 ± 6.8、CCQ:-0.6 ± 0.9、HADS-Anxiety:-1.7 ± 3.7、HADS-Depression :-2.1 ± 3.7であった。本研究に基づきMCID推定範囲としてCAT: -3.0 〜 -2.0、CCQ: -0.5 〜 -0.3、HADS-Anxiety:-1.8 〜 -1.3、HADS-Depression: -1.7 〜 -1.5を提唱する。

 

19

Güell MR et.al. Benefits of Long-Term Pulmonary Rehabilitation Maintenance Program in Severe COPD Patients: 3 Year Follow-Up. Am J Respir Crit Care Med. 2017; 195: 622-629. (PMID27611807)

呼吸リハビリテーション後の3年間にわたる維持プログラムがCOPD患者に対する短期効果を維持するかを検討した。143名の患者が維持リハビリテーション群と通常管理群に割り付けられた。138名が初期8週間のリハビリテーションプログラムを終了し、BODEインデックス、6分間歩行距離、HRQOLは有意に改善した。その後の管理期間では、6分間歩行距離は介入群で有意に良好であった。介入群では1年後にわずかに距離が延長し、その後の低下も緩やかであった。BODEインデックスは初期と2年後の間の変化で2群に差があった。3年後の時点でアドヒアランスは介入群で66%,通常管理群で17%であった。この研究の結果、継続リハビリプログラムが2年目までBODEインデックスと6分間歩行距離の維持に有効であった。

 

20

Santus P et.al. Improvements in Lung Diffusion Capacity following Pulmonary Rehabilitation in COPD with and without Ventilation Inhomogeneity. Respiration. 2016;92:295-307. (PMID27598467)

 

肺拡散能(DLCO)と換気不均一性がCOPD患者において、リハビリテーションでどのように変化するかを検討した。多施設共同の前向き観察研究で、患者は標準化された3週間の呼吸リハビリの前後で評価を受けた。患者は気流制限の重症度と換気不均一性の有無(VA/TLC<0.8で有り)で層別化された。250名の患者が評価を完遂したが、ベースラインの%FEV1は50.5 ± 20.1であり、137名が重症であった。全体での改善は6分間歩行距離で38 ± 55 m (p < 0.01)、 DLCOで0.12 ± 0.63 mmol /min/kPa (p < 0.01)であり、他の呼吸機能や息切れも改善した。気流制限の重症度や換気不均一性の有無にかかわららず、DLCOの改善が認められた。換気不均一性のある患者群では肺胞換気量(VA)の改善によってDLCOが改善したのに対し、換気不均一性のない患者群ではKCO(DLCO/VA)の改善によっていた。後者はベースラインにおける肺機能が前者よりも良く、6分間歩行距離の改善にも優っていた。DLCOが低いほど6分間歩行距離の改善に乏しかった。呼吸リハビリを受けるCOPD患者において、DLCOの改善に関与する機序には違いがあり、換気不均一性が運動耐容能の改善の制限因子になることが示唆された。

 

21

 Alma H et.al. Health status instruments for patients with COPD in pulmonary rehabilitation: defining a minimal clinically important difference. NPJ Prim Care Respir Med. 2016;26:16041.  (PMID27597571)

COPD患者において、CCQ、CAT、SGRQのMCIDを検討した。451名の患者に3週間の呼吸リハビリを行い複数の方法でMCIDの検討を行った。有意な改善と評価するにはCCQで0.40、CATで3.00、SGRQで7.00以上の変化が必要との結果をえた。既に使用されているMCIDはいずれも過小であり、COPD患者における治療効果を過剰評価する可能性があると考えられた。

運動試験について
8

Russo D, et.al. Is there an optimal level of positive expiratory pressure (PEP) to improve walking tolerance in patients with severe COPD? Arch Bronconeumol. 2016 Jul;52(7):354-360. (PMID27085886)

2つの異なる呼気陽圧(1cmH2Oと10cmH2O)が重症COPD患者の6分間歩行距離にどのような影響を与えるかについて検討を行った。副次的な評価項目として呼気陽圧が呼吸機能検査を含む生理学的指標にどのような影響を与えるかについて観察した。

50名の患者で評価を完遂することができた。6MDは 1cmH2O陽圧で337.8m、10cmH2O陽圧で341.8mであり、.呼気陽圧なしでの323.8mと比較するとそれぞれ有意に改善していた。1cmH2Oと10cmH2Oの間の差は有意とはならなかった。6分間歩行試験後の呼吸機能、自覚症状、生理学的指標には呼気陽圧負荷は変化を及ぼさなかった。

 

結論:重症COPD患者に対し呼気への1cmH2Oの陽圧負荷は息切れを増やすことなく10cmH2O圧負荷と同様に運動耐容能を増加させたが、運動訓練における効果の検証にはさらに検討が必要である。

 

9

Waatevik M, et.al. Oxygen desaturation in 6-min walk test is a risk factor for adverse outcomes in COPD. Eur Respir J. 2016 Jul;48(1):82-91. (PMID27076586)

6分間歩行試験における酸素飽和度低下がCOPDの重要な転帰(死亡率、急性増悪頻度、呼吸機能の低下、体重の減少)と関連するかについて検討を行った。433名のBergen COPD Cohort Study対象者の内370名がベースラインの6分間歩行試験を実施された。6分間歩行試験で酸素飽和度が低下した群は低下しなかった群と比較して、死亡リスクは約2倍、急性増悪は約1.5倍であった。また、低下群のFVC, FEV1の低下速度は非低下群の倍であり、lean body massの低下速度も数倍であった。

 

10

Cortopassi F, et.al. Longitudinal changes in handgrip strength, hyperinflation, and 6-minute walk distance in patients with COPD and a control group. Chest 2015; 148: 986-94. (PMID25996450)

COPD患者12名を対象に前向きに呼吸機能、握力、6分間歩行距離を前向きに評価した。COPD患者の握力、6分間歩行距離とも健常人より低く、1年間の経過でCOPD患者では有意に低下していた。静的肺過膨張が強い患者では握力、6分間歩行距離の低下が有意に強かった。

   

11

Albarrati AM et.al. A simple and rapid test of physical performance inchronic obstructive pulmonary disease. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016;11:1785-91.  (PMID27536090)

520名のCOPD患者と150名の健常コントロールでTUG、6分間歩行試験、スパイロ検査、体組成、握力、CAT、SGRQ、mMRCを評価した。患者群のTUGは健常者よりも有意に高く、6分間歩行距離および%FEV1と負の相関を示した。また、SGRQ総点数、活動点数およびCATと相関した。TUGと質問票は実地臨床の場で使用しうる簡便な身体能力評価方法である。

 

12

Mirdamadi M et.al. Correlation of cardiopulmonary exercise testing parameters with quality of life in stable COPD patients. J Thorac Dis. 2016;8:2138-45.   (PMID27621870)

心肺運動負荷試験(CPET)結果とCOPDの症状、QOL、BODEインデックスの関連を検討した。SGRQ点数は1秒量、最大仕事量予測値比、酸素摂取量/仕事量、呼吸予備能と負の相関を示したが、最大酸素摂取量予測値比との間に関連を認めなかった。54%の患者では足の疲労がCPET検査終了の主因であったが、そのような患者では最大酸素摂取量、最大仕事量予測値比、心拍予備能、呼吸予備能が他の患者よりも良好であった。BODEインデックスとΔ酸素摂取量/Δ仕事量の間には有意な負の関連性があった。CPET検査各種指標と主観的なCOPDの症状との間の関連性はさほど強くなかった。足の疲労でCPETを終了した患者達はCOPDのより軽い段階にある患者であった。BODEインデックスとΔ酸素摂取量/Δ仕事量の間には有意な負の相関はこの様な患者で心臓や骨格筋の合併症を考慮する必要性があることを示唆している。

 

13

Liu WY et.al. Reproducibility and Validity of the 6-Minute Walk Test Using the Gait Real-Time Analysis Interactive Lab in Patients with COPD and Healthy Elderly. PLoS One. 2016;11:e0162444.   (PMID27607426)

 

Gait Real-time Analysis Interactive Lab (GRAIL) を用いた6分間歩行試験の再現性と有効性をCOPD患者と健常人で確認した。

 

14

Bernabeu-Mora R et.al. The accuracy with which the 5 times sit-to-stand test, versus gait speed, can identify poor exercise tolerance in patients with COPD: A cross-sectional study. Medicine (Baltimore). 2016; 95: e4740.  (PMID27583918)

 

137名の安定したCOPD患者を対象とした横断研究である。4m歩行速度と5回起立着座反復試験が6分間歩行試験で測定される運動耐容能の低下を診断できるかを検討し、5回起立着座反復試験が運動耐容能低下の予測に有用であった。

 

15

Cirio S et.al. Effects of heated and humidified high flow gases during high-intensity constant-load exercise on severe COPD patients with ventilatory limitation. Respir Med. 2016;118:128-32. (PMID27578482)

 

 

安定期にある重症COPD患者の持久力に経鼻高流量酸素吸入が与える効果について検討をした。自転車エルゴメーターを用い漸増負荷試験の最高負荷量の75%の負荷で定量式運動負荷試験を行った。経鼻高流量酸素吸入群とコントロール群では前者で有意に持続時間が高かった。開始後同時刻での比較では酸素飽和度、息切れの強さ、下肢疲労感とも経鼻高流量酸素吸入群で良好であった。呼吸リハビリプログラムの運動療法で経鼻高流量酸素使用が有用かもしれない。

 

16

Tabberer M et.al. Development of a Conceptual Model of Disease Progression for Use in Economic Modeling of Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Med Decis Making. 2016 Aug 2. pii: 0272989X16662009. [Epub ahead of print]. (PMID27486218)

 

COPDの進展予後に関与する因子を結びつけた概念的モデルの作成を試みた。さらに、作成した概念的モデルをECLIPSE試験データに適応して検証をおこなった。最終的な概念モデルでは病変進行に寄与する因子として、急性増悪の発生歴、呼吸機能、運動耐容能、症状(咳嗽、喀痰、息切れ)、心血管系合併症、うつを含む他の合併症、体組成、フィブリノーゲン、喫煙状態、年齢、性別が含まれる。死亡率とHRQOLがこの概念的モデルでもっとも適切なoutcomeであり、COPDの経済的モデルの土台としても重要であると考えられた。

 

17

de Castro LA et.al. Static and Functional Balance in Individuals With COPD: Comparison With Healthy Controls and Differences According to Sex and Disease Severity. Respir Care. 2016; 61: 1488-1496. (PMID27484106)

 

47名のCOPD患者と25名の健常人で静的および動的バランスの比較を行った。静的バランスは片脚立位で、動的バランスはTUGで測定した。健常人とくらべCOPD患者では静的バランス、動的バランスとも劣っていた。COPD患者群では男性の方が女性よりもTUGの成績は良好であったが、静的バランスは女性で優れていた。病変の重症度はいずれのバランス指標にも影響を与えなかった。

 

身体活動性について
1

Burtin C. et.al. Physical Activity Counselling during Pulmonary Rehabilitation in Patients with COPD: A Randomised Controlled Trial. PLoS One. 2015 Dec 23;10(12):e0144989. (PMID26829484)

通常リハビリテーションに身体活動性についてのカウンセリングを加えた場合と加えなかった場合を比較検討したが、カウンセリングによる効果は観察されなかった。

 

2

Coultas DB, et.al. A Lifestyle Physical Activity Intervention for Patients with COPD: A Randomized Controlled Trial. Ann Am Thorac Soc. 2016 Jan 19. [Epub ahead of print]. (PMID26785249)

 

3

Nguyen HQ, et.al,  Patient-centered physical activity coaching in COPD (Walk On!): A study protocol for a pragmatic randomized controlled trial. Contemp Clin Trials. 2016;46:18-29. (PMID26597414)

 

4

Cruz J, et.al. Walk2Bactive: A randomised controlled trial of a physical activity-focused behavioural intervention beyond pulmonary rehabilitation in chronic obstructive pulmonary disease. Chron Respir Dis. 2016;13:57-66. (PMID26703921)

 

5

Arbillaga-Etxarri A, et.al. Validation of Walking Trails for the Urban TrainingTM of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Patients. PLoS One. 2016 Jan 14;11(1):e0146705. (PMID26766184)

 

6

Kanao K, et.al. Factors associated with the effect of pulmonary rehabilitation on physical activity in patients with chronic obstructive pulmonary disease. Geriatr Gerontol Int. 2015 Dec 4. doi: 10.1111/ggi.12656. [Epub ahead of print]. (PMID26634413)

 

7

Loprinzi PD, et.al. Free-living physical activity characteristics, activity-related air trapping and breathlessness, and utilization of transtheoretical constructs in COPD: A pilot study. Physiol Behav. 2015;152(Pt A):79-84. (PMID26386403)

 

8

Yu T, et.al. Determinants of Physical Activity in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A 5-Year Prospective Follow-Up Study. Respiration. 2016 Jul 13. [Epub ahead of print]. (PMID27404667)

409名のCOPD患者を身体活動性を中心に最高5年間経過を追った。身体活動性はLAPAQという質問票を用いて6ヵ月毎に測定された。COPD患者の身体活動性は6ヵ月毎に低下をしていた。多変量解析の結果、観察開始時に評価した項目で身体活動性の低下と独立して関連していたものは、運動耐容能低下、高齢、仕事を有していること、より喫煙歴が高いこと、倦怠感を感じていること、男性、低教育水準、Fitness programに参加してことがない、うつ傾向、肺機能が低いこと、全身の状態が悪いこと,処方薬剤数が多いこと、であった。

 

9

Dueñas-Espín I, et.al. Depression symptoms reduce physical activity in COPD patients: a prospective multicenter study. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016; 11: 1287-95. (PMID27354787)

COPD患者220名を対象とした欧州5カ国での多施設共同前向き研究。ベースラインのHADSうつスコアは6ヵ月後の身体活動性に負の影響をおよぼした。

 

10

Boeselt T, et.al. Validity and Usability of Physical Activity Monitoring in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD). PLoS One. 2016 Jun 15;11(6):e0157229. doi: 10.1371/journal.pone.0157229. eCollection 2016.(PMID27305105)

低コストの身体活動計Polar A300の有効性と有用性を検討した。Polar A300は既に有効性が示されているBodymedia社のSenseWareに劣らなかった。低価格の身体活動計を多用して患者さんの活動性を評価すべきであると考える。(廉価版の身体活動量計使用して論文を書く時の参考になると思います。)

 

11

 

Esteban C, et.al. One-year Mortality in COPD After an Exacerbation: The Effect of Physical Activity Changes During the Event. COPD. 2016 Jun 10:1-8. [Epub ahead of print]. (PMID27285279) 

COPD患者2484名を対象とした前向き観察研究。急性増悪前後の身体活動性の低下が1年生存率に影響するかについて検討した。急性増悪前と比較して増悪2月後の身体活動性が低下することは、1年生存率低下の独立した危険因子であった。

 

12

Demeyer H, et.al. Physical Activity Characteristics across GOLD Quadrants Depend on the Questionnaire Used. PLoS One. 2016 Mar 14;11(3):e0151255. doi: 10.1371/journal.pone.0151255. eCollection 2016. (PMID26974332)

136名のCOPD患者を対象に5つの欧州の施設で調査を行った。身体活動性は活動量計を用いて実測された。季節性の変動を避けるために6か月間隔で2回測定し、その平均を用いた。GOLD A群とB群、C群とD群を分けるもととなる症状についてはmMRC,CAT,CCQを評価した。
GOLD 75名がC群もしくはD群に分類されたが、その根拠は気流制限所見のみ25名、急性増悪歴のみ25名、気流制限所見+急性増悪歴25名であった。C+D群の平均1日歩行数はA+B群に比べて有意に低値であった。A群とB群、C群とD群の分類は用いる質問票によって患者の分布が異なった。一致率を表すκ値はmMRCとCATで0.57, CCQとmMRCで0.71、CCQとCATで0.72であった。症状の指標をどれにするかにより、臨床的な所見の特徴にも差があった。身体活動性はmMRCを用いて分類した場合に特にB群、D群で有意に低値であった。

 

13

Demeyer H, et.al. Can health status questionnaires be used as a measure of physical activity in COPD patients? Eur Respir J. 2016;47:1565-8 (PMID26917609)

COPD評価において質問票による評価はスクリーニングとしてあるが、評価の中には身体活動性についての直接的な評価が組み込まれるべきである。(Letter to Editor)

 

14

Esteban C, et.al. Determinants of change in physical activity during moderate-to-severe COPD exacerbation. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2016;11:251-61.(PMID26893555)

前向き研究で、急性増悪による身体活動性の変化の程度とその規定因子の検討を行った。身体活動性の変化には大きなバラツキがあった。変化の規定因子として、急性増悪に関連した因子(入院24時間後の身体活動性、入院中の使用薬剤、入院期間)および安定期の状態を反映する因子(元来の低い身体活動性、年齢、QOL,1秒率)があげられた。

 

 

急性増悪について
1

Hartl S, et.al. Risk of death and readmission of hospital-admitted COPD exacerbations: European COPD Audit. Eur Respir J. 2016;47:113-21.  (PMID26493806)

COPD急性増悪入院の実態と予後因子について、欧州における調査結果。入院患者のうち、スパイロメトリーを実施された患者は49.7%、動脈血ガス評価を実施された患者は81.6%にすぎなかった。高齢、アシドーシスを伴った呼吸不全、人工呼吸管理、合併症の存在が、死亡リスクと関連していた。加えて、90日後の再入院のリスクとして入院治療の既往が挙げられた。医療供給体制側の因子としては、唯一病床あたりの呼吸器専門医の数が、退院後の死亡率と関連していた。 

Wedzicha JA, et al. Prevention of COPD exacerbations:a European Respiratory Society/American Thoracic Society guideline. Eur Respir J 2017; 50: 1602265(PMIDなし)

COPDの急性増悪予防の為の5つ方策について評価。

 

 急性増悪の予防の為に

1) 喀痰融解剤を用いるべきか? ⇒ Yes NAC, アンブロキソール, カルボシステイン

2) LABAとLAMAどちらが優れているか? ⇒ LAMA

3) 慢性気管支炎タイプのCOPDにロフミラストは有効か? ⇒ 気流制限が重症、極めて重症な患者では使用を推奨する。

4) 安定期COPDにフルオロキノロンを使用すべきか ⇒ NO

 

5) 安定期COPDに少量マクロライドの持続投与法は ⇒ YES

 

サルコペニアについて
1

Jones SE, et.al. Sarcopenia in COPD: prevalence, clinical correlates and response to pulmonary rehabilitation. Thorax. 2015;70:213-8. (PMID25561517)

 

2

Yosef-Brauner O, et.al. Effect of physical therapy on muscle strength, respiratory muscles and functional parameters in patients with intensive care unit-acquired weakness. Clin Respir J 2015; 9: 1-6. (PMID24345055)

ICUにて人工呼吸管理を受けた患者を2群に分け(一群9名)、理学療法介入を1回/日もしくは2回/日で行った。2回/日群の方が、MIPとMRC physical strength examinationの改善が良好であった。また、ICU滞在期間も有意に短かった。

 

 

 
COPDの自然経過・予後について
1

Zaigham S, et.al. Lung function, forced expiratory volume in 1 s decline and COPD hospitalisations over 44 years of follow-up. Eur Respir J. 2016;47:742-50. (PMID26647443)

1914年生まれの男性689名を対象に55歳時にスパイロメトリーを実施。その後の経過を44年間観察した研究。55歳時の1秒率軽度低下者でも将来のCOPD入院リスクが明らかに高いことが示された。(無症状の患者を早期に発見した際にその後の呼吸機能の経過を見ることが重要であることを示唆する研究と思います。)

 

2

Woodruff PG, et.al. Clinical Significance of Symptoms in Smokers with Preserved Pulmonary Function. N Engl J Med. 2016;374:1811-21. (PMID27168432)

健常非喫煙者199名、既往・現喫煙者で呼吸機能正常かつCAT10点未満424名、既往・現喫煙者で呼吸機能正常かつCAT10点以上425名、COPDステージ1/2でCAT10点未満337名、COPDステージ1/2でCAT10点以上626名で比較した。急性増悪の発症率は既往・現喫煙者で呼吸機能正常かつCAT10点以上の群でも健常非喫煙者、既往・現喫煙者で呼吸機能正常かつCAT10点未満の群、およびCOPDステージ1/2でCAT10点未満の群よりも高かった。(喫煙による気道障害の患者さんを扱うのに自覚症状の重要性を明らかにした報告です。気管支拡張薬使用後の1秒率70%という判断基準はあくまでも人工的なものです。CATをきちんととりながら、方向性をよくよく考える必要がありそうです。)